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ONE PIECE 船長至上主義、ルナミ中心テキストサイト。
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○ルナミSS
 















 

 




 

ルフィの真上で光っている太陽よりも
ルフィの方がよっぽど
太陽に似ていた


私にとってあいつこそが太陽だった
誰よりも 何よりも





 

 



「おい、ナミ!」

上の方から声が降ってくる。
顔を向けるとそこには既に冒険準備万端病のルフィが
待ちきれない様子で船の手すりの上に立っていた。
私の顔を見ると満面の笑みを浮かべた。


「早く行こうぜ!」


す、と手が差し伸べられる。

私はあまりの眩しさに目を細めた。
それはちょうどルフィ越しに見える太陽のせいなのか、
それとも───。

 

 

気が付けば私はルフィの手を掴んでいた。
普段なら決してできない自分の無意識の行動に驚き、
その意外にも大きくてごつごつした手に胸がざわめいた。


ルフィは私の手をしっかり握り直すと
至極嬉しそうに笑い、
「冒険に出発だぁ~~~!!」
と叫んだ。



 

次の瞬間にはもう、走り出していた。
太陽の手に導かれて。
後ろでサンジ君の悲鳴のような叫びが聞こえた気がするけど、
私はもう振り返れなかった。
自分でも呆れるくらい、目の前の背中に夢中だった。



「ナミ」


走りながら振り返って笑う。
その笑顔にまた眩暈しそうになる。


鼓動が、早い。


それは走っている所為ではないのだということに、
私はもう気が付いている。


「…しっかり手、掴んでろよ」

──絶対、離すんじゃねェぞ。


低い声でそう告げられて、
私の心臓は壊れるんじゃないかと思うほど早鐘を打った。

 
 

思わず抱きついてしまいそうな衝動を必死に押し殺し、
私は精一杯の勇気を振り絞って
繋がった手にほんの少し、力を込めた。





 


 

向日葵


(あんたしか見えない、なんて恥ずかしくて言えないけど。)



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○ルナミSS(両片思い/告白話)
























何もかもが嫌いだった。この世の、何もかもが。
私は生まれた時から気が付けば独りで。
大切なものを見つけては、失った。
この世界はその時から色を失くし、
私は黒とも灰色ともつかぬ闇に呑まれていった。

長い間たった独りで、がむしゃらに生きてきたから。
生きる為に生きていたから。
余計なものに構っている時間は微塵もなかった。

 


私には、時間がない。

 


なのに雷の如く空から降ってきたその一瞬に
私を取り巻く世界は急に色づき、目まぐるしく変わった。
空から落ちてきたのはまるで本物の太陽のように眩しく笑う、
麦わらを被った太陽だった。

 

 

夢も、感情も、何もかも捨て去ったはずの私は
いつの間にか自然と笑えるようになっていた。
もう随分長いこと忘れていた感情。
無邪気で無防備すぎる太陽に照らされていると、
意地も弱さも大して意味はなくて、
私の全てを溶かしきってしまいそうな熱に
流されまいと唇を噛んで必死で踏ん張り続けるしかなかった。

 

そう、私には時間がないのだ。
こんな太陽の下でぬくぬくと暖まっている時間など、少しもない。

 


だけどそいつは裏切った私を何の疑問もなく追いかけてきて。
初めてぶつけた私の弱さに、同情するでもなく
「当たり前だ!!」と受け入れて。





私が憎んだ何もかも全てを壊してくれた。

 

 

出逢った瞬間から私はもしかしたら、
心の何処かでいつかこうなる事を予感していたような気がする。
そしてその時もう既に、私の心は彼に捕らわれていたことも。

 

好き。

バカでわがままで単純で子供っぽくて真っ直ぐで太陽みたいな。
あんたが、好きよ、ルフィ。

 

 


「ナミ」

不意に呼ばれて我に返る。
顔を上げると特等席に座って前を向いたままの赤い背中が映った。

「お前、今何考えてる」
振り返らずにルフィが言葉を紡ぐ。
どうやら私は不覚にも目の前の赤いシャツに見惚れてしまっていたらしい。


空いっぱいに広がるオレンジ色の夕焼けにルフィの赤が溶け込む。
ルフィの前には同じく赤い色をした夕陽が鮮やかに光っていて
その眩しい程鮮明なコントラストに私は思わず目を細める。

──綺麗。
そう思った途端、何故か胸が苦しくなって息が詰まった。

「…別に何も」
絞りだすように吐いた声は情けないほどか細くて。
らしくないな、とひとり苦笑した。
「ふ~ん、そっか。」

私の言葉に何かを察しているのかいないのか。
赤く照らされて陰になっている背中からは表情が見えない。
なんだか無性に泣きたい気分に駆られてその場から遠ざかろうと踵を返した時、
伸びてきた腕に突然腰の辺りを掴まれた。
と思った次の瞬間には体が浮いて、気が付くと私は船首に座らされていた。

「なっ、なにすんのよあんたっ!」
「ししっ!今日だけナミに俺の特等席、譲ってやる!」
「は?何それ?別にいいから早く降ろして!」
後ろから抱きしめられるような形で支えられている。

ルフィが近い。
そのことに必要以上に動揺し、高鳴る鼓動を収める為に一刻も早くルフィから離れようともがく。
だがルフィは支える腕を離そうともせず、のんびりと話し続ける。
「ここにいるとな、おれ元気になるんだ」
「だ、だから何よ?」
船首の上は思った以上に不安定で、
ルフィの話を聞く余裕などある訳もなく
私はただ必死で船首にしがみついて抵抗するしかなかった。

「だからな、ナミもここにいたらきっと元気になるぞ!」
そう言ってしししとルフィが笑う。
その言葉に思わずハッとする。


あぁ、こいつには何で分かってしまうんだろう。
自分は嘘をつくのが下手なくせに、他人の嘘を見抜くのは得意なんだから。
何も考えてない、なんてルフィにはきっとお見通しで
こいつはこいつなりに私のことを心配してくれてるのだ。


ぎゅっと後ろからルフィに抱きしめられる。
肩に顎を乗せられてどきっとする。
「ちょ、ルフィ…!」
緊張で声が震える。あぁ、本当にらしくない。
「ナミ」
「え?」
「おれはここにいるぞ」
「うん…?」
「お前はひとりじゃねェ」
「…うん」
「おれだってナミがいるからここまで来れたんだぞ」
「ルフィ…」
「お前が導いてくれなかったら、ここまで来れなかった」


『助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある!』


アーロンとの戦いの最中でそう叫んだルフィを思い出す。
あの時も、ルフィのその言葉に救われたんだ。
一人でがむしゃらに生きてきた私にとって
ルフィの生き方は、あまりに眩しく清々しかった。



「だからお前に会えてよかった!」
ありがとな、とルフィが笑うのが振動で伝わる。
予想外の言葉に頬の熱が更に上昇する。
きっと今の私はあの太陽にも負けないくらい真っ赤だ。

こうやってルフィはいつも、あまりに自然に私を救ってくれる。
まるで私の心を見透かすように。
でも、だから私は今、心から笑うことができるんだ。



「…綺麗ね」
自分の鼓動の大きさを誤魔化すように、
顔を上げて目の前の景色へと呟く。
「ししっ!だろ?だからおれは好きなんだ、ここが」

いつもルフィが見ている景色。
海と空が混じる水平線。
それは言葉では言い表せないほど
とてつもなく美しく壮大で、
ずっと見つめていると自分の悩みがなんだかちっぽけに思えて
ルフィの言うとおり元気になれる気がした。

 

「…ルフィ」
「ん?」
「好きよ」
自分でも驚くほど簡単に言葉が滑り落ちた。
普段は強がりや照れでなかなか言えないことを
素直にすんなり口にできたのも、
きっとこの偉大な景色のせいだ。

ルフィは一瞬驚いたように顔を上げて
しばらく私の横顔をまじまじと見つめていたが、
それから至極嬉しそうに俺もだ!と笑いぎゅっと抱きついてきた。


あぁ、そうか。
この想いは今、伝わってしまったのだ。
いや本当はきっと助けを求めたあの日に、
瓦礫の上から名前を叫ばれたあの日に、
ううん、それよりも前からずっと
私達には全て、解っていたんだ。

 

私の腰を抱いて支える彼の手に自分の手をそっと重ねると
ルフィがふわりと見た事もないほど優しく笑った。
それは目の前の偉大な景色と同じくらい
言葉にできない幸せだった。


 

 

 

 

 
 

 



鮮やかに色づいた私の世界は、煌びやかに廻っていて
私は親愛なる仲間と共に
夢に向かって余りある時間を生きている。

 

何もかも大嫌いだったこの世界を
何もかも大好きに変えてしまった赤い太陽は
今日も愛しい笑顔で私の前を歩いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鮮やかに煌く彼方。


(あんたが照らす光で私は何処へでも辿り着けるわ、きっと。)

 

 

 

 

 

 

 

 


 


○ルナミSS(ナミ独白/バラティエ前)




























君を愛してるの
煌く黒髪も大きな瞳も無邪気な笑顔も
君の全部を愛してる
けどそんな事は決して口には出さない
言えない、言える訳がない


だから私は今日もいつもの場所で
君の背中を見つめる
君のその、大きくて眩しい背中を
食い入るように見つめる
君がいつか振り返りはしないかと
密かに期待を込めて


だけど君はただ真っ直ぐ前を見据える
遠いものをその手に掴もうとするように
だからそれが少し切ないけど
前を見続ける君の小さな背中も
私は愛しているから
例え振り返らなくても惜しくはない


 


君を愛しているの


きっとそれを伝える前に
私はここを去るだろう
君は悲しむかな
私を探すかな
せめてどうかこんな馬鹿な私を
憎んで 罵って
嫌いだって叫んで

私を、忘れて



私はただ声も届かぬ場所で
心の中で何度も叫ぶから
君には決して聞こえないように

 

 


君を愛してる
左目の傷も体温の高い肌も
太陽みたいな、笑顔も。
君の全部を愛してる

 


ごめんね
さよなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


私は君を、愛してた

 

 

 

 

 

 

 


痛みが呼ぶ愛。


(夢の中まで追いかけてくるあんたの声が、優しすぎて怖かった。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 



○ルナミSS (※パラレル設定)

































「あ~また遅刻だな、こりゃ」

目覚まし時計はもう8時半を過ぎている。
大学の授業は9時から始まる。
家から車で30分かかる道程では到底間に合わない。
だがルフィにとって遅刻はいつものことだ。
「ま~いっか。飯いっぱい食ってからだ!」
あまり焦った様子もなく呑気にそんなことを思う。
ルフィが家を出る頃には既に9時を回っていた。

















    『遅刻の理由』

















車に乗り込みいつもの通学路を辿る。
が、生憎の渋滞でなかなか進まない。
ルフィはしかしそれでも焦らなかった。
のんびり鼻歌を歌いながら進むのを待った。

ふと助手席側の窓に目をやると
窓の外に見たことのある姿が映った。
その人物と目が合った時ルフィはあっと声を出した。

「ナミ!」

窓を開けるとルフィは掛けていたサングラスを外し呼びかけた。
「ルフィ!?」
歩道を歩いていたナミは途端に驚いた表情になった。
「今から学校か?」
「えぇ、そうだけど」
「んじゃ送ってってやる!乗れ!」
「え、いいの!?」
「ああ!」
そう答えるとナミはラッキー!と喜んで助手席に乗り込んだ。






*   *   *






「久しぶりね、ルフィ」
「ああ、大学入ってから全然会えねェもんな~」
おれの言葉を聞き、はっとしたようにナミが口を開く。
「そうだ、もしかしてあんたもこれから学校なんじゃないの?」
「おう!」
「おう、じゃないわよ!それじゃ私の学校と方向が正反対じゃないのよ!」
「分かってるよ、うるせぇなー」
「私はあんたを心配して言ってるの!大体あんたこの時間じゃ遅刻じゃない!」
「あれ?じゃーナミもひょっとして遅刻か?」
「あんたと一緒にしないで!私は今日は10時からなの。」
「なんだ、そうなのか」

「…ねぇ、私はいいから降ろしてよ」
急に小さくなったナミの声におれは首を傾げる。
「え?なんでだ?」
「だって…あんた遅刻しちゃうじゃない」
「いいんだ」
「いいわけないでしょ!あんた少しは真面目に…」
「いいんだ」
ナミが言い終わる前に口が勝手に開いた。

「どーせ遅刻するならお前といた方が楽しいだろ?」

ししし、とおれが笑うとナミの頬が赤くなった気がした。
「…そういう問題じゃないっての」
小さく文句を言いながらもナミは少し嬉しそうだった。

車をUターンさせてナミの大学へと向かう。
久しぶりのナミとの会話は楽しくて、
やっぱりナミといると落ち着くな~なんて
おれは話しながらもそんなことをぼんやりと思っていた。





 





○ルナミSS (詩?)
















空の上の太陽よりもさらに遠く
眩しい彼はただ自由で。
私には太陽よりも手に入れることは難しいのだと思う。
それでも──。

 

「お前はひまわりみたいだな」



それでも、精一杯手を伸ばして
届いて欲しいと願うのは。
いつでも太陽だけを見つめて
全身でその光を吸収しようとする


私が向日葵のようだからか。









ただ、そのひだまりを。

(向日葵の花言葉なんて、あんたは知らないだろうけど。)










 

 

 

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自己紹介:
年齢:21歳
職業:社会人
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