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ONE PIECE 船長至上主義、ルナミ中心テキストサイト。
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○ルナミSS(両思い未満)


 

 


海が見える。
きらきら、きらきら。
光る。波も、弾けるしぶきも。
あぁ、綺麗だ。


顔を上に向ければそこにもまた。
海と同じ青。
だけど全然違う青い空。
海より薄くて澄んだ青。
日を浴びて光ることはないけれど、代わりに眩しい光が広がる。

あぁ、それも綺麗だ。

 


「あんたは、太陽みたいね。」

そんな風によく言われる。
けどそんなことはないと、俺は思う。
だって俺はあんな風に海を光らせることはできない。
あんな眩しくて綺麗になにもかも照らすなんて、俺には無理だ。

だって俺は人間で、好き嫌いだってある。
俺が太陽だったら、照らしたくないものは絶対に照らさない。


例えば俺が太陽だったら。
光を与えるのは、この海と、仲間と、大切な奴ら、…そして──。

 

「ルフィ!」

大声で名前を呼ばれてハッとする。
振り向くとナミが腰に手を当てて怖い顔で立っていた。
「んあ?なんだ?」
「なんだ?じゃないでしょ!さっきから何度も呼んでるのに。」
「え?そうなのか。悪ぃ、聞こえなかった。」
そう答えるとナミはふぅっと大げさにため息をついた。
そんな顔をしなくても、と俺は思う。
ナミは俺に対してほとんどの場合、不機嫌だ。
まぁそれは俺が悪いからだとは、分かっちゃいるけど。

「まぁいいわ。とにかくあんた、そこから降りなさいよ。」
そこ、というのは俺の特等席のことだ。
「何で?」
「何でって…何度も言うけどあんたはカナヅチでしょ?もし落ちたらどーすんのよ!」
「そしたらお前らが助けてくれるだろ?まぁ俺は落ちねぇけどな。」
ししし、と胸張って笑ってみせたらナミが呆れたように頭を抱えた。
「っもう!少しは心配するこっちの身にもなりなさいよ」
「んん!俺は落ちねぇから大丈夫だ!心配すんな!」
「あのねぇ…」
「それによ!」
まだ何か言いたそうなナミの言葉を止めようとして俺は口を開く。

「それに、今俺が落ちたらお前が助けてくれるだろ?」
「は?」
「もし俺が溺れたってお前は必ず助けてくれる。お前がいるから俺は安心してここに居れるんだ。」
ししし。他の奴らだって同じだ!
俺はみんなを信じてるからな。
だから大丈夫。
ナミは俺の言葉にすっかり黙り込んで何故か真っ赤になってる。
また怒らせちまったのか?そう思って俺は慌てる。

ほらな、俺は太陽なんかにはなれねぇ。
だって俺はナミが好きなのに、ナミを綺麗に輝かしてやることはできねぇ。
それどころか、ナミは俺の前ではしかめっ面をしてばっかだ。
俺のせいで、ナミを曇らせてしまってる。
俺が見たいのは、そんな顔なんかじゃないのに。

「ナミ?怒ったか?」
特等席から飛び降りて俯いてるナミの前に立つ。
ナミは真っ赤な顔して黙ったままだ。
どうすればいいのか分からなくてとりあえずナミの頭に手を置く。
「ごめんな。」
そのままオレンジ色の髪をわしゃわしゃと撫でる。
心なしかナミの顔が更に赤くなった気がした。

「ナミ?」
「わ、分かったわよ!もういいからっ。」
「え、ホントか?」
「しょうがないでしょ。あんた一度言い出したら聞かないし。」
「おう!そうだ!(どーん)」
「威張るなっ!」
頭にナミの鉄拳が落ちる。
けどいつもみたいな力はなくてそんなに痛くなかった。
それでも何となくいてぇ、と呟くと
「自業自得よ!」
と更に怒鳴られた。

「ねぇルフィ。あんた何でそんなにそこが好きなの?」
ひとりでぶつくさと俺に文句を言っていたナミが
急に真面目な顔になってそう訊ねる。
「何で?」
そういえばそんなこと、考えたことなかった。
う~ん…と唸りながら俺なりに理由を探す。
思い浮かぶのは、きらきら光る青。

「んん!俺は海が好きだからな!」
自信満々に答えたけど、どうやら俺の言葉はナミには伝わりづらいらしい。
首を傾げてきょとんとしてみせて、それから曖昧に「そう」と頷いて
「あんたらしいわね」と言って笑った。
うまく言える言葉を見つけられなくて、俺は少し悔しかった。
けど、ナミがやっと笑ってくれたからもうそれでいいと思った。
だからそうだ、と言って俺も笑ってみた。

ナミはそんな俺を見てなぜか眩しそうに目を細めて、
「やっぱり、あんたって太陽みたい。」
と呟いた。

「じゃあ、お前は波だな!」
「…あんたそれ名前をいじっただけじゃない。」
肩をすくめてナミはそう言ったけど、それでも嬉しそうに笑った。

 

だからやっぱり俺はそんなことはないと思ったけど、
ナミがそうやって優しく笑うなら、俺は
ナミの前だけなら太陽になってやってもいいかもな、と思った。









光と青と波。


(俺がそこにいるのは、お前を待ってるからでもあるんだって、俺はまだ知らなかった。)

 

 

 

 
 







-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

初めてルフィ視点に挑戦したブツ。(そして玉砕)

船長は特等席とナミがお好きっていうお話。(どんなだ)
太陽がルフィなら、その光を受けてきらきら輝く波はナミさんだ!
っていう意味のことを表現したかったんですが…うん、分かりづらいね!(どーん)
やっぱルフィ視点は難しい…・(´Д⊂グスン





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